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突発性難聴

突発性難聴とは?


普段通りの生活をしていただけなのに、あるとき、急に耳が遠くなることがあったら、それは「突発性難聴」かもしれません。「朝おきたときに」「電話をとったときに」「会議をしているときに」など、その場面がはっきりと思い出せるほど突然に引き起こされるのが、突発性難聴の特徴です。

突発性難聴の患者は、ここ10年ほどで急激に増えています。それにはストレス社会と呼ばれる現代の環境が大きく関わっていると考えられます。さらに、病気そのものの認知度が高まったおかげで、患者が積極的に受診するケースが増えていることも、羅患率の増加に関係しているのかもしれません。

40歳代〜60歳前後の働き盛りに多く見られますが、10代の若者から高齢者まで、あらゆる年代で発症する突発性難聴。その特徴は、「ある日突然」「原因不明」の「比較的高度な難聴」が、「片側の耳」に起こること。発作は1回のみで、一般に再発することはありません。めまいや耳鳴り、耳の詰まった感じ(耳閉感)を伴うこともよくあります。

突発性難聴は、突然の難聴、耳鳴り、耳閉感のほか、音が響く感じやめまい、吐き気などを伴うことがあります。軽い人では難聴よりも、耳鳴りや耳の詰まった感じのほうが気になる人もいます。症状が出てくる以前に、体調不良があったと訴える患者が多いのも特徴です。そのことから、心身にかかるストレスが病気の発症に何らかの影響を与えているのではないかと推測されています。ストレスがかかると交感神経が緊張して、血流が悪くなります。耳の中を走っている血管は非常に細いため、ストレスによる血流不足が突発性難聴を引き起こすのではないかと考えられるのです。

突発性難聴の原因ははっきりわかりませんが、ともかく内耳の部分に障害が起こることで発症します。原因として考えられているのは、「ウイルス感染」と「内耳循環障害」の2つです。ウイルス感染説とは、「発症前に風邪をひいていた」という人が多いことから、内耳に何らかのウイルスが感染して突発性難聴を引き起こしているのではないかという考え方です。

おたふく風邪をひいたあとに難聴を引き起こすケースがあり、これは“ムンプス難聴”といわれて、一般的にもよく知られています。ムンプス難聴は、“ムンプス”というおたふく風邪のウイルスが、内耳に感染して引き起こされる病気です。これと同様に、突発性難聴も内耳に何らかの感染症が起こるのではないかと思われるのですが、どんなウイルスかはまだ特定されていません。一方内耳循環説というのは、内耳の血管に血の固まりが詰まる、あるいは出血を起こす、血管がけいれんするなどの症状が起こることが原因で、難聴を引き起こすのではないかという説。血液の粘度が関わることから、生活習慣病との関わりも考えられています。


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